ポスト・ミニマリズム

概要

出典:wikiart
Untitled
Donald Judd(ドナルド・ジャッド)
Date: 1965
ミニマリズム

ミニマリズムが硬くて無機的な形を追求したのに対し、ポスト・ミニマリズムは同じシンプルさを保ちながら、もっと柔らかく身体的で自然な表現を目指しました。ラテックスやフェルト、ロープなど形が定まらない素材を使い、垂れ下がったりしわが寄ったりする状態そのものを作品にします。「切る」「垂らす」などの行為の痕跡を重視し、皮膚や内臓を思わせる生々しさい表現をしました。

エヴァ・ヘス

出典:MoMA
Eva Hesse
Repetition Nineteen III
1968

エヴァ・ヘスは、ラテックスやファイバーグラスなどの工業素材を使いながら、手作業のズレや素材の不安定さをあえて残しました。《Repetition Nineteen III》では、似た形の筒を並べつつも一つひとつ微妙に違いがあり、完璧に揃えない姿勢が、ミニマルな構造に身体的なもろさを宿らせています。

ロバート・モリス

出典:Guggenheim NewYork
Robert Morris
Untitled (Pink Felt)

出典:wikiart
Untitled
Robert Morris
Date: 1967 - 1968

リチャード・タトル

出典:wikiart
44th Wire Piece
Richard Tuttle
Date: 1972

出典:San Francisco Museum of Modern Art
It’s alive! Richard Tuttle creates a wire piece at SFMOMA

リチャード・タトルの《Wire Pieces》は、壁に手描きした線に沿って細いワイヤーを取り付けた作品です。実線、金属線、その影という三層の「線」が生まれ、釘の位置やワイヤーのたわみに作家の手つきがにじみます。極限まで単純な形の中に、繊細な手仕事の痕跡が静かに宿っています。

ブルース・ナウマン

出典:MoMA
Bruce Nauman
Collection of Various Flexible Materials Separated by Layers of Grease with Holes the Size of My Waist and Wrists
1966

ポスト・ミニマリズムは、1960年代のミニマリズムで確立された単純な形・反復・工業素材を土台にしながら、柔らかい素材や重力、偶然のプロセスを受け入れ、「きれいに完結した箱」から「変化し続けるもの」「身体にひっかかるもの」など、より自然的な表現へと変化しました。