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イスラム建築:ドームとミナレット|モスク・マドラサ・霊廟が描く神の幾何学

7世紀の預言者ムハンマド(570頃–632)の啓示に始まるイスラム世界は、アラビア半島から北アフリカ、イベリア半島、中央アジア、インド亜大陸まで広域に展開し、モスク(マスジド)・マドラサ(学院)・霊廟(マウソレウム)という独自の建築タイプを生み出しました。

ドーム(クッパ)・ミナレット(マナーラ)・イーワーン(半開放空間)・ムカルナス(鍾乳石装飾)・アラベスク・ムカルナス・カリグラフィといった独自の建築要素は、唯一神信仰と幾何学的秩序を視覚化する装置として、各地域で独自の様式を発展させました。本稿ではアラブ・ペルシア・トルコ・北アフリカ・インドの五地域の宗教建築を、時代と地域を軸に概観します。

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イスラム建築の基本要素

  • ドーム(クッパ):天蓋・宇宙の象徴、礼拝室の上部
  • ミナレット(マナーラ):礼拝呼びかけ(アザーン)の塔
  • ミフラーブ:メッカの方向を示す壁の窪み
  • ミンバル:金曜礼拝の説教壇
  • ハラム:礼拝室、男女別空間
  • サフン:中庭、清めの泉
  • イーワーン:半開放のアーチ形空間(ペルシア起源)
  • ムカルナス:鍾乳石状の半円形装飾、ドーム移行部
  • アラベスク:植物・幾何学文様の装飾
  • カリグラフィ:クルアーン銘文、装飾と機能の融合

初期イスラム建築(7〜8世紀)

  • 『岩のドーム』(691、エルサレム):イスラム建築最古の代表作
  • 金色のドーム、地中海オクタゴン教会の影響
  • 『ダマスクス・ウマイヤ・モスク』(706–715):教会・神殿転用
  • 古代ローマのテメノス(聖域)跡を活用
  • サフン式(中庭式)モスクの原型
  • カイラワーン大モスク(670、チュニジア):北アフリカ最古
  • コルドバ大モスク(785、スペイン):二重アーチ列柱

アッバース朝建築(8〜13世紀)

  • バグダードを首都に、東方ペルシア要素を融合
  • サマッラのモスク(848–852、イラク):螺旋ミナレット
  • 『マルウィヤ・ミナレット』:高さ52m、螺旋階段
  • イーワーン形式の本格採用
  • イブン・トゥールーン・モスク(876–879、カイロ):エジプト最古
  • レンガと漆喰、装飾は控えめ
  • ファーティマ朝(909–1171):カイロ建設、アズハル・モスク(972)

ペルシア・イスラム建築

  • セルジューク朝(1037–1194):イーワーン式の発達
  • 四イーワーン式モスク:中庭の四方にイーワーン
  • 『イスファハーン金曜モスク』(11〜17世紀増築):四イーワーン式の典型
  • ティムール朝(14〜16世紀):青色釉タイルの巨大ドーム
  • 『ビビ・ハヌム・モスク』(1399–1404、サマルカンド)
  • 『グーリ・アミール廟』(1404、サマルカンド):ティムール霊廟
  • サファヴィー朝(1501–1736):ペルシア建築の頂点
  • 『シャー・モスク』(1611–1638、イスファハーン):青タイル装飾の極致
  • 『シェイク・ロトフォッラー・モスク』(1602–1619):女性専用、ピンク・ベージュ系装飾

オスマン・トルコ建築

  • オスマン帝国(1299–1922):ビザンティン建築の継承・発展
  • 『ハギア・ソフィア』(537、ビザンティン期)の影響
  • 1453年コンスタンティノープル征服後、ハギア・ソフィアをモスク転用
  • 建築家ミマール・スィナン(1489–1588):オスマン建築の頂点
  • 『シュレイマニエ・モスク』(1550–1557、イスタンブール):スィナンの代表作
  • 『セリミエ・モスク』(1568–1574、エディルネ):スィナン最高傑作、ドーム直径31m
  • 中央ドーム・半ドーム・4本以上の鉛筆型ミナレット
  • 『ブルー・モスク(スルタンアフメト・モスク)』(1609–1616):6本のミナレット

マムルーク朝・カイロ建築

  • マムルーク朝(1250–1517):カイロを中心に大規模モスク・マドラサ建設
  • 『スルタン・ハサン・モスク』(1356–1363、カイロ):四イーワーン式
  • 巨大なポータル、複合建築(モスク・マドラサ・霊廟)
  • 幾何学的石細工と精緻な木工
  • 『カラウーン廟』(1284–1285):八角形ドーム
  • カイロ歴史地区(UNESCO世界遺産)には600以上の歴史的建造物

ムガル建築(インド・イスラム)

  • ムガル帝国(1526–1857):ペルシア・トルコ・インド融合
  • 『フマーユーン廟』(1565–1572、デリー):タージ・マハルの先駆
  • 『ファテープル・シークリー』(1571–1585):アクバル帝の宮殿都市
  • 『タージ・マハル』(1632–1648、アグラ):シャー・ジャハーン妃ムムターズ霊廟
  • 白大理石、宝石象嵌、左右対称の四分庭園
  • 四隅のミナレット、中央八角ドーム
  • 『デリー・ジャマー・モスク』(1644–1656):インド最大級のモスク
  • 赤砂岩と白大理石の対比

西方イスラム(北アフリカ・アンダルス)

  • ムーア朝(756–1492、イベリア半島)
  • 『コルドバ大モスク』(785–987):二重アーチ、赤白の縞模様
  • 『アルハンブラ宮殿』(13〜14世紀、グラナダ):ナスル朝最後の輝き
  • 『ライオンの中庭』『コマレスの塔』『二姉妹の間』
  • ムカルナス装飾の頂点、繊細な漆喰細工
  • 北アフリカではメリニド朝(1244–1465)のマドラサ建築
  • 『ハサン・モスク』(1195、ラバト):未完の巨大ミナレット
  • 『クトゥビーヤ・モスク』(1158、マラケシュ):高さ77mのミナレット

中央アジア・ティムール朝

  • ティムール(1336–1405)の都サマルカンド・ブハラ
  • 『レギスタン広場』(15〜17世紀):三大マドラサが囲む
  • ウルグ・ベク・マドラサ(1417–1420):天文学者王の学院
  • シルダル・マドラサ(1619–1635)
  • ティリャ・カリ・マドラサ(1646–1660)
  • 青タイル装飾の巨大イーワーンが特徴
  • 『シャーヒ・ズィンダ霊廟群』(11〜19世紀、サマルカンド):ティムール家霊廟
  • 『ビビ・ハヌム・モスク』:ティムールの巨大計画

ドーム構造の進化

  • 初期:木造ドーム(ローマ・パンテオン的)
  • ビザンティン的ペンデンティブ(球面三角形)への移行
  • セルジューク期:スクィンチ(角の橋渡し構造)
  • ムカルナス・ドーム:内側に鍾乳石状装飾
  • 二重殻ドーム:外観の高さと内部スケールを両立
  • サファヴィー朝の青タイル外装ドーム
  • オスマン朝の半ドーム複合システム(スィナン)
  • ムガル朝の蓮華型・洋ナシ型ドーム

装飾要素:アラベスクとカリグラフィ

  • 偶像禁忌(人物・動物像の禁止)が装飾を抽象化
  • 植物文(ルーミー文・葉文)、幾何学文(星形・多角形)
  • クルアーン銘文:クーフィー体・ナスフ体・スルス体
  • タイル・モザイク・大理石象嵌・漆喰彫刻
  • イスファハーン・サマルカンドの青タイル建築
  • アルハンブラの幾何学パターン研究はM.C.エッシャーに影響

主要世界遺産モスク・霊廟

  • 岩のドーム(エルサレム)
  • カイラワーン大モスク(チュニジア)
  • アルハンブラ宮殿(スペイン・グラナダ)
  • コルドバ大モスク(スペイン)
  • イスファハーンのイマーム広場(イラン)
  • サマルカンド・レギスタン広場(ウズベキスタン)
  • カイロ歴史地区(エジプト)
  • シュレイマニエ・モスクとイスタンブール歴史地区(トルコ)
  • タージ・マハル(インド)
  • マラケシュのメディナ(モロッコ)

近代以降のイスラム建築

  • 19世紀以降、西欧建築の影響と近代化
  • 20世紀後半、伝統復古運動(ハサン・ファトヒー)
  • 『新ガーマ・モスク』(1958、エジプト):伝統技法復興
  • ザハ・ハディド(1950–2016):イラク系英国建築家
  • 『ハイダル・アリエフ・センター』(2012、バクー):流線形現代建築
  • 『シェイク・ザイード・グランド・モスク』(2007、アブダビ):現代的大規模モスク

研究文献

  • Robert Hillenbrand, Islamic Architecture: Form, Function, and Meaning(1994)
  • Doris Behrens-Abouseif, Cairo of the Mamluks: A History of the Architecture and its Culture(2007)
  • Sheila S. Blair & Jonathan M. Bloom, The Art and Architecture of Islam 1250–1800(1994)
  • 深見奈緒子『イスラーム建築の世界史』(岩波書店、2013)
  • 飯島英夫『イスラーム建築 ─ 宇宙の幾何学(学芸出版社、2012)

まとめ|イスラム建築を読む視点

  • ドーム・ミナレット・イーワーン・ムカルナス・アラベスクが基本語彙
  • 地域別:アラブ(サフン式)・ペルシア(四イーワーン式)・トルコ(中央ドーム式)・ムガル(白大理石)
  • 装飾は偶像禁忌から抽象幾何学・カリグラフィを発達
  • サファヴィー朝・オスマン朝・ムガル朝は16〜17世紀の三大盛期
  • アルハンブラとタージ・マハルは異文化に最も知られた代表作
  • UNESCO世界遺産に多くの主要建築が登録

あわせて イスラム美術の全体像建築宗教美術 を読むと、イスラム建築が世界建築史で占める位置をより立体的に把握できます。

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