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イタリア– イタリアの美術史 –

イタリア美術ガイドの概要

イタリア半島は古代エトルリア・ローマ美術の発祥の地であり、中世の都市国家、ルネサンスの全面的な制度化、バロックの劇場性の発明、そして20世紀の未来派・形而上絵画・アルテ・ポーヴェラに至るまで、ヨーロッパ美術の主要な転換点をほぼすべて主導してきた地域です。

本ガイドではイタリア美術を都市別・時代別に俯瞰します。西洋美術カテゴリTOPもあわせて、ヨーロッパ全体での位置付けを確認してください。

主要トピック

古代 — エトルリア・共和政・帝政ローマ

紀元前9世紀のエトルリア美術は独自の墓室壁画と青銅彫刻で知られます。紀元前1世紀以降のローマ美術はギリシャ古典を吸収しつつ、肖像彫刻のリアリズムと建築技術(ドーム・コンクリート)で独自の到達点を築きました。詳細は古代カテゴリを参照。

中世・ロマネスク・ゴシック

ロンバルディアからシチリアまでのロマネスク建築、シエナ派ジョットを起点とする壁画革新が、後のルネサンスを準備します。チマブーエ、ジョット、ドゥッチョらは、ビザンティン伝統から空間表現へと絵画を大きく転換させました。

ルネサンス(15〜16世紀)

フィレンツェのブルネレスキ、マサッチョ、ドナテッロが初期ルネサンスを切り拓き、レオナルド、ミケランジェロ、ラファエロが盛期ルネサンスを完成させ、ヴェネチアではティツィアーノが色彩主義の頂点に至ります。詳細はルネサンスカテゴリ

バロック(17世紀)

ローマを中心としたカトリック・バロックの形成。カラヴァッジョのテネブリスム、ベルニーニの大理石劇場、コルトーナのイリュージョニズム的天井画が、ヨーロッパ全体に拡散しました。詳細はバロック・ロココカテゴリ

近代・20世紀

マッキアイオーリ運動(19世紀後半トスカーナ)、未来派(マリネッティ・ボッチョーニ・バルラ、1909〜)、デ・キリコの形而上絵画、戦後のアルテ・ポーヴェラ(クネリス、メルツ、ピストレット)など、各時代に強烈な独自運動が立ち上がります。

現代

ヴェネチア・ビエンナーレ(1895〜)は世界最古の現代美術国際展として、20世紀以降の美術評価インフラを規定し続けています。フィレンツェ、ローマ、ミラノ、トリノにそれぞれ強力な現代美術館・財団があります。

代表作・代表事例

作品・建築作家制作年所蔵・所在
サン・ピエトロ大聖堂ブラマンテ・ミケランジェロ他1506-1626ヴァチカン
ダビデ像ミケランジェロ1501-04アカデミア美術館(フィレンツェ)
システィーナ礼拝堂天井画ミケランジェロ1508-12ヴァチカン
ヴィーナスの誕生ボッティチェッリ1485頃ウフィツィ美術館
聖マタイの召命カラヴァッジョ1599-1600サン・ルイジ・デイ・フランチェージ聖堂
聖テレジアの法悦ベルニーニ1647-52サンタ・マリア・デッラ・ヴィットーリア聖堂

技法・特徴

  • 線遠近法:ブルネレスキが1410年代に確立した数学的遠近法は、ルネサンス絵画の構成原理となった。
  • フレスコ・テンペラ・油彩:イタリアではフレスコ(壁画)が15世紀まで主役。フレスコ技法ガイド参照。油彩は北方から伝播し、ヴェネチアで本格採用された。
  • 大理石彫刻:カラーラ産大理石を用いた一塊彫刻は、古代ローマからベルニーニ、カノーヴァまで連続する伝統。
  • 建築理論:アルベルティ、ヴィニョーラ、パッラーディオの著作は、ヨーロッパ古典建築の規範書として近代まで参照され続けた。

影響と後世

15〜17世紀のイタリアで蓄積された美術理論・技法・図像は、フランス、スペイン、フランドル、ドイツ、英国、ロシア、そして大航海時代以降のラテンアメリカ・フィリピンにまで広く伝播しました。グランドツアーで滞在した北欧の若手作家を介して、ローマ・フィレンツェ・ヴェネチアは18世紀以降の新古典主義の理論的基盤になります。

20世紀の未来派・形而上絵画・アルテ・ポーヴェラは、それぞれキュビスム以後の前衛、シュルレアリスム、ミニマリズム以後の物質美術に強い影響を残しました。

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続けてローマ美術都市ガイドフィレンツェ美術都市ガイドを読み比べると、同じ「イタリア美術」の中での都市文化の差異と相互作用が、より具体的に把握できます。