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20世紀– 20世紀美術の流れ –

20世紀美術ガイドの概要

20世紀は美術の前提が連続的に書き換えられた世紀です。「絵画とは何か」「彫刻とは何か」「美術とは何か」という問いそのものが運動の主題となり、フォーヴィスム・キュビスムから始まり、ダダ・シュルレアリスム、抽象表現主義、ポップアート、ミニマリズム、コンセプチュアル・アート、もの派と続く運動史は、ヨーロッパ→ニューヨーク→アジアへと美術の中心地そのものを移し続けました。

本ガイドは20世紀を年代軸で串刺しにする横断ハブです。前後は19世紀美術ガイド21世紀美術ガイドを参照してください。

20世紀美術の主要トピック

1900年代 — フォーヴィスムとキュビスム

1905年のサロン・ドートンヌでマティスらが「野獣派(フォーヴ)」と命名され、色彩を表現の主役に据えました。1907年のピカソ「アヴィニョンの娘たち」を起点にキュビスムが始まり、ブラックとの共同実験で分析的・総合的キュビスムへと展開します。

1910年代 — 抽象の誕生・ダダ・未来派

1910年前後、カンディンスキー・モンドリアン・マレーヴィチがそれぞれ独立に抽象絵画を成立させました。第一次世界大戦中の1916年、チューリッヒ・ダダがキャバレー・ヴォルテールから始まり、デュシャンの「泉」(1917)はレディメイドという概念で美術の定義を覆します。

1920年代 — シュルレアリスムとバウハウス

1924年のブルトン『シュルレアリスム宣言』を起点に、エルンスト・ミロ・マグリット・ダリらが無意識・夢・偶然を主題化します。ドイツではバウハウス(1919-1933)が建築・デザイン・美術を統合する近代的教育モデルを提示しました。

1930-40年代 — 戦争と亡命

ナチスの台頭と第二次世界大戦により、ヨーロッパ前衛の多くがアメリカへ亡命。ピカソ「ゲルニカ」(1937)、エルンスト・モンドリアンの渡米、メゾネット主義の確立により、世界の美術中心地はパリからニューヨークへ移動します。

1950-60年代 — 抽象表現主義からポップへ

ニューヨークでポロックのアクション・ペインティング、ロスコのカラーフィールドが抽象表現主義を確立。1960年代にはウォーホル・リキテンスタイン・オルデンバーグのポップアート、ステラ・ジャッド・アンドレのミニマリズム、コスース・ローレンスのコンセプチュアル・アートが続きます。

1970-80年代 — もの派・写真・ニューペインティング

日本では1968年以降のもの派(李禹煥・関根伸夫ら)、欧米では1970年代の写真・ビデオの美術化、1980年代のドイツ新表現主義(バゼリッツ、キーファー、ポルケ)、イタリアのトランスアヴァングァルディアが連続して登場します。

1990年代 — グローバル化とYBA

冷戦終結後、グローバル現代美術市場が拡大し、ロンドンのYBA(ハースト、エミン)、村上隆のスーパーフラット、奈良美智、バンクシーが世紀末を代表する現象となりました。

代表作・代表事例

作品作家制作年
アヴィニョンの娘たちパブロ・ピカソ1907
マルセル・デュシャン1917
記憶の固執サルバドール・ダリ1931
ゲルニカパブロ・ピカソ1937
ナンバー1Aジャクソン・ポロック1948
キャンベルのスープ缶アンディ・ウォーホル1962
位相-大地関根伸夫(神戸須磨離宮)1968
サメ(生きているものにとっての死の物理的不可能性)ダミアン・ハースト1991

技法・特徴

  • 絵画の解体:単一視点・遠近法・物語性が次々と解体され、絵画は「現実の窓」から「物としての画面」へと再定義された。
  • レディメイド:既製品をそのまま美術にするデュシャンの方法は、20世紀美術の定義そのものを変えた。詳細はデュシャンとレディメイドの衝撃
  • アクション・ペインティング:ポロックは床にキャンバスを置き、絵具を滴下する身体運動そのものを作品化した。
  • 大量複製と引用:シルクスクリーンによるウォーホルの作品は、消費社会のイメージを引用・反復することで美術と商業の境界を問うた。

影響と後世

20世紀の運動史は21世紀の美術の前提となり、現代では「○○主義」よりも作家ごとのプロジェクト型実践が主流になりました。アジア(草間彌生、村上隆、李禹煥)の世界的台頭は、20世紀末から21世紀にかけて加速しています。詳細は21世紀美術ガイド

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続けてピカソとキュビスム革命ウォーホルとポップアート革命を読み比べると、世紀の前半(パリ)と後半(NY)で「絵画の更新」がどう質的に違ったかがより明確に理解できます。

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