このページは「戦後(1945〜)」(era-postwar)タグの全体ガイドです。本タグは第二次世界大戦終結(1945)以降に成立した美術現象に必須付与され、20世紀後半から21世紀の現代美術全体の通覧軸として機能します。
「戦後」タグの位置付け
本サイトでは、1945年以降の美術運動・作家・出来事に era-postwar を必須付与し、現代アートタグと組み合わせて、戦後現代美術の全体像を可視化します。19世紀末〜戦間期は別軸(20世紀)であり、本タグは「戦後」という時代区分そのものを主軸とします。
戦後美術の主要トピック
1. 抽象表現主義とニューヨーク派(1940s後半-50s)
戦後、芸術の中心はパリからニューヨークに移りました。抽象表現主義は、ジャクソン・ポロックのドリッピング、マーク・ロスコの色面、ウィレム・デ・クーニング、バーネット・ニューマンらが牽引しました。詳しくはポロックとアクション・ペインティング・ロスコの色面絵画で扱います。
2. アンフォルメルとアール・ブリュット(欧州)
欧州ではアンフォルメル(informel)と総称される非定型抽象が登場し、ジャン・フォートリエ、アントニ・タピエス、ハンス・アルトゥングが活躍しました。並行してジャン・デュビュッフェのアール・ブリュット(生の芸術)が、美術教育を経ない作家の創造を再評価しました。
3. グタイ(具体)と日本の前衛(1954-72)
1954年、日本・関西で具体美術協会が結成されました。吉原治良の指導下、白髪一雄の足で描く絵画、田中敦子の電気衣装、嶋本昭三のガラス瓶投擲が、欧米の抽象表現主義と並走する身体性の芸術を切り開きました。
4. ポップ・アート(1950s-60s)
ポップ・アートは、英国のリチャード・ハミルトン、米国のアンディ・ウォーホル・ロイ・リキテンスタイン・クレス・オルデンバーグらが牽引し、消費社会・大量生産・複製文化を芸術に取り込みました。詳しくはウォーホルとポップ・アート革命・リキテンスタインとコミック絵画をご覧ください。
5. ミニマリズムとコンセプチュアル・アート(1960s-70s)
ミニマリズムはドナルド・ジャッド、フランク・ステラ、ダン・フレイヴィンらが牽引し、「物体性」と「場」を主題化しました。コンセプチュアル・アートはジョセフ・コスース、ローレンス・ウィナーが言語と概念を芸術の本質と再定義しました。詳しくはミニマリズム哲学・コンセプチュアル・アートの実例で取り上げています。
6. もの派(1968-72)
日本のもの派は、関根伸夫『位相−大地』(1968)を起点に、李禹煥・菅木志雄・小清水漸らが素材と場の関係を提示しました。同時代のミニマリズムと共鳴しつつ、東洋的空間論として独自の位置を確立しました。
7. ネオ・エクスプレッショニズムとピクチャーズ世代(1980s)
1980年代にはネオ・エクスプレッショニズムが登場し、ジャン=ミシェル・バスキア・ジュリアン・シュナーベル・ゲオルク・バゼリッツらが具象の復権を担いました。並行してピクチャーズ世代のシンディ・シャーマン、リチャード・プリンスがメディアの領用を主題化しました。
8. グローバル化と現代美術(1990s-)
1989年の冷戦終結後、現代美術は急速にグローバル化しました。ヴェネツィア・ビエンナーレ・ドクメンタ・横浜トリエンナーレといった国際展が世界各地に展開し、非西洋作家の中央化が進みました。YBA(ヤング・ブリティッシュ・アーティスト)、ダミアン・ハースト、村上隆のスーパーフラットもこの時期の現象です。
主要運動と代表作家
| 年代 | 運動 | 代表作家 |
| 1940s後半-50s | 抽象表現主義 | ポロック・ロスコ |
| 1950s-60s | 具体・もの派 | 白髪一雄・関根伸夫・李禹煥 |
| 1955-70 | ポップ・アート | ウォーホル・リキテンスタイン |
| 1960s-70s | ミニマリズム | ジャッド・ステラ・フレイヴィン |
| 1965-75 | コンセプチュアル | コスース・ウィナー |
| 1980s | ネオ表現主義 | バスキア・シュナーベル |
| 1990s- | YBA・スーパーフラット | ハースト・村上隆 |
戦後美術の特徴
- 美術中心の世界化:パリ→ニューヨーク→世界の都市群へ
- メディアの拡張:絵画・彫刻から映像・インスタレーション・パブリック・アートへ
- 市場の制度化:オークション・ギャラリー・コレクター層の拡大
- ビエンナーレ/フェアの隆盛:国際展が美術の現在を駆動
- ポストコロニアル批評:非西洋作家・先住民作家の中央化
- テクノロジーとの融合:ビデオ・デジタル・AI・NFT
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続けて現代アートタグとポロックとアクション・ペインティングを読むと、戦後美術の地殻変動が立体的に把握できます。