メニュー

Udemy講座

初心者の方から上級者の方まで、
体系的に学べる動画講座を提供しています。

今だけ!90%OFFクーポン配布中!

日本美術史マスターコース:前編

日本の文化・伝統の基礎を身につける|縄文〜鎌倉時代まで体系的に学べる【合計3.5時間】

日本美術史マスターコース:後編

日本の文化・伝統の基礎を身につける|室町時代〜大正まで体系的に学べる【合計4.5時間】

西洋美術史

ベストセラー 原始美術から世紀末芸術までの美術史を体系的に学べる【合計3.5時間】

印象派完全ガイド

印象派のはじまりから後期印象派・新印象派まで体系的に学べる【合計2.5時間】

現代アートマスターコース:第1章

印象派以降のアート|エコール・ド・パリからバウハウスまで体系的に学べる【合計2.5時間】

現代アートマスターコース:第2章

モダンアート入門|ダダイズムから抽象表現主義まで体系的に学べる【合計4.5時間】

はじめてのギリシャ神話

名画と共に楽しく学ぶ|プロメテウスの話、全能の神ジュピター【合計1.5時間】

イスラム美術をめぐる旅

モスク/写本/アラベスク/幾何学模様の秘密|イスラム教の豊かな芸術や信仰【合計5時間】

アート思考入門

アート思考とな何か。基礎から応用まで|演習付き【合計1.5時間】

構図の原理原則

重力・視線・バランスなどの「視覚の物理学」を、古典名画と一緒に学習。【合計1時間】

ストーリーテリング入門

ビジネス・シナリオ・ライティングで心を動かす物語構造【合計1時間】

美術鑑賞プログラム

絵画鑑賞の切り口|創造性を育むアート・芸術講座|企業用Wellnessタイム【合計1時間】

ポッドキャスト

クリエイティブ・作品・AI・映画・音楽・エンタメの未来・哲学etc.について語り合います。
ぽっちゃり猫2匹と湘南から配信中。

#10_絵は言葉よりも解像度が高い

#12_絵を見る二つのレンズ

#13_チェコの宝「スラブ叙事詩」

#14_速水御舟と「壊し続ける」画家たちの話

感性と知識で楽しむ美術鑑賞プログラム→

タブロー– タブローという形式 –

タブロー体裁ガイドの概要

「タブロー(tableau)」とは、壁・天井・建築躯体から独立した一枚絵としての可動絵画を指す体裁・媒体形式の用語です。フランス語で「絵」「板」「画面」を意味し、美術史的には主に油彩・テンペラなどの板絵・カンバス絵を指して用いられます。フレスコ壁画や障壁画のように建築と一体化した「不可動絵画」と対をなし、所有者間の移動・売買・遺贈を可能にした体裁革命の結果です。

本ガイドはタブローという体裁が、ヨーロッパ絵画史でどのように成立し、近代以降に絵画の標準形態となったかを俯瞰します。隣接体裁は壁画祭壇画屛風絵巻を参照してください。

タブローの主要トピック

祭壇画から独立絵画へ — 15世紀

15世紀以前、ヨーロッパの絵画の多くは聖堂・修道院の建築物(壁・天井・祭壇)と一体化していました。タブロー化の決定的な契機は、15世紀北方ルネサンス期にファン・エイクが油彩技法を完成させ、板絵による持ち運び可能な独立画面が普及したことにあります。同時期にイタリアでも、祭壇画が複合祭壇画から単一画面へと整理されていきます。

カンバス・タブローの登場 — 16世紀ヴェネツィア

16世紀ヴェネツィアで、湿気の多い気候への対応としてカンバスが板を置き換え始めます。ティツィアーノ以降のヴェネツィア派は大型カンバス・タブローを宮廷・教会双方の主要媒体に押し上げ、ヨーロッパ全土へ広まりました。

17世紀 — 市民タブロー市場

オランダ黄金時代に、教会注文に依存しない市民層向けタブロー市場が世界で初めて成立しました。レンブラント、フェルメール、ハルスらは肖像・風俗・風景・静物を、市場流通可能な独立タブローとして量産します。タブロー=商品、という近代的構造はこの時期に確立されました。

18-19世紀 — サロンとタブロー

パリのサロン展(1667年初開催、19世紀に大衆化)は、サイズ・主題・額装を含むタブローの公的フォーマットを確立しました。歴史画・宗教画・神話画は大型タブロー、肖像・静物は中小型タブローという序列が、19世紀末の印象派による「日常を描く中型タブロー」の登場まで続きます。

20世紀以降 — タブローの解体と再生

抽象絵画はタブロー形式を維持しながら、矩形画面・額装・壁掛けという物理構造を意識化しました。一方でカンディンスキー、モンドリアン、マレーヴィチを経由し、ポロックの大画面アクション・ペインティングや、ロスコのカラーフィールドは、タブローのスケールと「壁面装飾的体裁」の境界を問い直します。

代表作・代表事例

作品作家体裁
アルノルフィーニ夫妻像ファン・エイク板絵タブロー(1434)
ウルビーノのヴィーナスティツィアーノカンバス・タブロー(1538)
真珠の耳飾りの少女フェルメールカンバス・タブロー(1665頃)
ホラティウス兄弟の誓いジャック=ルイ・ダヴィッド大型サロン・タブロー(1784)
印象・日の出クロード・モネ中型カンバス・タブロー(1872)
ナンバー1Aジャクソン・ポロック大型抽象タブロー(1948)

技法・特徴

  • 支持体:板(ポプラ・オーク・パイン等)、カンバス(亜麻・木綿)、紙、銅板など。カンバス素材ガイド板(パネル)素材ガイドを参照。
  • 画材:テンペラ→油彩→アクリルへと変化。詳細は油彩技法ガイド
  • 額装:タブローの完成は額装によって担保される。19世紀パリのサロンで標準的な金箔額のフォーマットが整理された。
  • サイズの規格化:サロン以降、フランスではF・P・M(Figure・Paysage・Marine)という規格寸法が確立し、画材店で標準カンバスを購入できるようになった。

影響と後世

タブローという体裁は、絵画の「商品化・市場化・コレクション化」を可能にしたインフラそのものです。世界中の主要美術館の収蔵品の大半はタブロー形式であり、サザビーズ・クリスティーズの主要落札もカンバス・タブローが中心。20世紀後半以降、インスタレーションや映像・参加型実践が拡大しても、タブローは美術市場の中核体裁として機能し続けています。

関連記事

続けて北方ルネサンスとファン・エイクを読むと、タブローという体裁が「持ち運べる宗教=可動の信仰具」として始まり、その後どのように世俗化・市場化されたかが、より立体的に理解できます。

記事が見つかりませんでした。