古墳と埴輪|3〜7世紀日本の墳墓建築と土製造形
3 世紀後半、奈良盆地・三輪山の麓。
突然のように、これまでにない巨大な墳墓が築かれ始めます。前方後円形——一方が円、もう一方が方形の鍵穴のような形。
箸墓古墳(はしはかこふん、奈良県桜井市)。全長 280m、邪馬台国の女王「卑弥呼」の墓ではないかと推定される、古墳時代の幕開けを告げる遺跡です。
そこから 400 年。日本列島には 16 万基を超える 古墳(こふん)が築かれ、墳丘の上には 埴輪(はにわ)が立ち並びました。
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古墳時代の概観
- 時期:3 世紀後半〜7 世紀
- 前期:3 世紀後半〜4 世紀(畿内中心、玉・銅鏡副葬)
- 中期:5 世紀(巨大化、武具中心副葬、関東・九州にも拡大)
- 後期:6〜7 世紀(小型化、群集墳、横穴式石室)
- 総数:全国に約 16 万基(2025 年現在の確認分)
古墳の主要な形
| 形 |
特徴 |
代表例 |
| 前方後円墳 |
方形と円形を結合、最大規模になる |
大山古墳(大阪府堺市) |
| 前方後方墳 |
方形 2 つを結合、東日本に多い |
西山古墳(奈良県) |
| 円墳 |
円形、最も一般的 |
石舞台古墳(奈良県明日香村) |
| 方墳 |
方形、後期に多い |
蘇我馬子の墓と伝承 |
| 八角墳 |
八角形、終末期の天皇陵 |
牽牛子塚古墳(奈良県) |
大山古墳(伝・仁徳天皇陵)
- 大阪府堺市、5 世紀前半築造
- 墳丘長 486m、世界最大級の墳墓
- 三重の周濠、外堤を含めた総長 840m
- 2019 年「百舌鳥・古市古墳群」として世界遺産登録
- クフ王のピラミッド、秦の始皇帝陵と並ぶ世界三大墳墓と称される
- 宮内庁管理のため発掘調査は限定的
埴輪とは
- 古墳の墳丘上に立てた素焼きの土製品
- 4 世紀から 6 世紀末まで墳丘装飾として用いる
- 「埴」は粘土、「輪」は円筒の意
- 祭祀的・呪術的役割と、墳墓の境界を示す機能
- 中空構造のため軽量で破損しにくい
埴輪の種類
1. 円筒埴輪
- もっとも基本的な埴輪、土管状
- 墳丘の境界に並べて立てる
- 『日本書紀』垂仁天皇条で野見宿禰が殉死代替として案出と伝承
- 朝顔形・楯形・甲胄形など装飾化したものも
2. 形象埴輪(けいしょうはにわ)
- 家形埴輪:屋根が切妻・入母屋・寄棟、当時の建築を伝える
- 器財埴輪:盾・甲胄・大刀・靱(ゆぎ)など武具・儀器の表現
- 動物埴輪:馬・犬・猪・鶏・鹿・水鳥
- 人物埴輪:武人・農夫・巫女・楽人・力士
有名な埴輪作品
| 作品 |
出土地 |
所蔵 |
| 武装男子立像(埴輪武人) |
群馬県太田市・飯塚町 |
東京国立博物館(国宝) |
| 盛装男子(馬曳き) |
群馬県太田市 |
東京国立博物館(重文) |
| 挂甲の武人 |
埼玉県熊谷市 |
東京国立博物館 |
| 踊る人々 |
埼玉県野原古墳 |
東京国立博物館 |
| 水鳥形埴輪 |
大阪府津堂城山古墳 |
奈良文化財研究所 |
埴輪のリアリズム
- 当時の衣装・髪型・武具・農具がそのまま再現
- 顔の表情・目の形(円・三角・線)に地域差
- 女子埴輪では美豆良(みずら)以前の島田髪・比礼(ひれ)が見える
- 古代日本の風俗を知る最重要資料
横穴式石室と装飾古墳
- 6 世紀以降、墓室を横から入る構造が普及(大陸からの影響)
- 九州を中心に石室の壁・石棺に絵画が描かれる「装飾古墳」が出現
- 福岡・王塚古墳:赤・黒・白・黄・緑による幾何学・人物文
- 奈良・キトラ古墳(7 世紀):四神・天文図・十二支
- 奈良・高松塚古墳(7 世紀):群像壁画(→「高松塚古墳壁画」記事参照)
古墳時代から飛鳥時代へ
- 538 年、仏教公伝(百済の聖明王が日本に経典を贈る)
- その後、寺院建築が古墳に代わる権威表現として発達
- 火葬の普及(700 年、僧道昭の遺骸が日本初の火葬)
- 大型墳墓は 7 世紀末でほぼ終焉
- 権威表現は 法隆寺 など寺院へ移行
主要古墳一覧
- 大山古墳(伝・仁徳陵、堺市)
- 誉田御廟山古墳(伝・応神陵、羽曳野市)
- 箸墓古墳(卑弥呼の墓説、桜井市)
- 大田茶臼山古墳(兵庫県朝来市)
- 稲荷山古墳(埼玉県行田市、辛亥銘鉄剣で有名)
- 江田船山古墳(熊本県、銀象嵌大刀)
主要所蔵
- 東京国立博物館(埴輪武人ほか重要文化財・国宝多数)
- 九州国立博物館(江田船山出土品ほか)
- 奈良文化財研究所(大和古墳群関係)
- 群馬県立歴史博物館(東日本の埴輪コレクション)
- 明日香村文化財展示室(キトラ・高松塚の関連資料)
まとめ|古墳と埴輪を読む視点
- 古代日本の権力構造を可視化する巨大土木建造物
- 埴輪は当時の生活・服飾・建築を伝える唯一の三次元資料
- 東日本の人物埴輪に独特の表情と動的造形
- 古墳から寺院へ、権威表現の媒体が大転換
続けて 飛鳥仏の様式 や 高松塚古墳壁画 を読むと、古墳から仏教美術への移行が見えてきます。
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