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速水御舟の代表作10選|炎舞・名樹散椿・京の舞妓まで一望する

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40 年の生涯。700 点近い作品。

速水御舟は短命でありながら、日本画の様式を一作ごとに更新し続けた。

本記事では、御舟の画業を象徴する代表作 10 点を年代順に解説する。

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1. 洛外六題(1917、第4回院展)

京都郊外の写生をもとにした六題連作。今村紫紅の影響下、南画と写生の融合を試みた初期代表作。20 代前半の御舟が「写生派」として頭角を現した記念碑的シリーズ。

2. 京の舞妓(1922、東京国立博物館)

顔・髪・かんざし・帯柄まですべてを描き込んだ細密写実の極限。横山大観に「悪写実」と評され論争となり、御舟自身が以後「写実を超える」方向へ転じる転回点となった作。

3. 炎舞(1925、重要文化財・山種美術館)

軽井沢で見た蛾と炎を象徴的に再構成した代表作。御舟自身が「もう一度描けと言われても二度とは描けない」と語った逸話で名高い。1977 年に重要文化財指定。詳細は「炎舞」解説へ。

4. 翠苔緑芝(1927、山種美術館)

4 曲 1 双の屏風。緑の苔・芝・白い兎・枇杷の実・黒猫を画面に均質に散らし、装飾と写生・象徴と日常を同一平面に並べる構成感覚が確立した。山種美術館の人気投票でしばしば 1 位を占める。

5. 紅梅・白梅(1929、山種美術館)

金地に紅白の梅を対で描いた屏風。琳派の様式を継承しつつ、近代的な色面構成と細密描写を組み合わせる。光琳「紅白梅図屏風」を参照しつつ、それを更新する意識が明確に表れる。

6. 名樹散椿(1929、重要文化財・山種美術館)

京都・地蔵院の五色八重散椿を主題にした金地金彩の二曲一双屏風。「炎舞」と同時に 1977 年重要文化財指定。詳細は「名樹散椿」解説へ。

7. 埃及更紗・埃及所見(1931)

1930 年の渡欧時に実見した古代エジプト美術・更紗を主題化したシリーズ。日本画の岩絵具で異文化の文様を翻訳するという御舟独自の方法が明確に現れた一群。

8. 春池温(1933)

裸婦と池の表現を初めて本格的に組み合わせた作品。渡欧で実見した西洋古典絵画の人体表現を、日本画の岩絵具と線描の語彙で再構築する晩年の到達点。

9. 黒牡丹(昭和初期、山種美術館)

群青と墨の濃淡だけで花の重さを支える独特の色感。原色を使わずに最大の存在感を出す御舟の岩絵具技法が凝縮された一作。

10. 春の宵 / あけぼの(1935・絶筆)

死の直前まで筆を入れていた絶筆未完作。光と闇、写実と象徴の往復運動を再び試みた最後の到達点で、御舟の様式更新が没年まで止まらなかったことを示す。

10作で見る御舟の様式更新

  • 1917〜1922: 写生・南画から細密写実へ(洛外六題 → 京の舞妓)
  • 1925〜1929: 写実から象徴・装飾へ(炎舞 → 翠苔緑芝 → 紅梅白梅 → 名樹散椿)
  • 1930〜1935: 渡欧後の古典再編(埃及更紗 → 春池温 → 春の宵)

所蔵・実見ガイド

  • 山種美術館(東京・広尾)— 10 点中 5〜7 点を所蔵。「速水御舟コレクション」として 120 点規模で常設展・特別展を展開
  • 東京国立博物館 — 「京の舞妓」
  • 京都国立近代美術館 — 大正期作品
  • 2026 年に山種美術館で大規模な御舟展開催予定

関連項目

続けて山種美術館 速水御舟コレクション完全ガイドを読むと、現物を見るための導線が分かる。

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