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ピカソとキュビスム革命|分析から総合へ、絵画の構造を変えた運動

20世紀美術の方向性を決定づけた運動が キュビスム(Cubism)です。
パブロ・ピカソとジョルジュ・ブラックという2人の若い画家が、絵画の構造そのものを書き換えました。

目次

キュビスムの基本情報

出発点|「アヴィニョンの娘たち」

キュビスムの直接の起点は、ピカソが1907年に発表した 「アヴィニョンの娘たち」です。

  • 5人の女性像が、平面化された幾何学的かたちで描かれる
  • 右側2人の顔はアフリカ仮面の影響を受ける
  • 遠近法が解体され、人物と背景が同一の平面でせめぎ合う

本作は当時、ピカソの仲間にすら衝撃を与え、しばらく公開されませんでした。

分析的キュビスム(1909〜1912年)

初期のキュビスムは、対象を多視点で分解し、画面に再構成する方法をとりました。
これを分析的キュビスムと呼びます。

  • 正面・側面・上面など複数の視点を1枚に同居させる
  • 色彩は茶色・灰色・緑などモノトーンに抑制される
  • 対象は楽器・ボトル・新聞・人物頭部など身近なものが中心

ピカソとブラックはこの時期、互いの作品を区別できないほど協働していました。

総合的キュビスム(1912年以降)

1912年、画面に新聞紙や壁紙を貼り付けるパピエ・コレ(紙の貼り付け)が登場します。
ここから絵画は「描く」だけでなく「組み立てる」表現へと拡張しました。

  • 色面と素材のコラージュで、対象を再構築する
  • 文字・印刷・布などが絵画素材に加わる
  • 後のダダポップアートに直結する手法

キュビスムの広がり

キュビスムはピカソとブラック以外にも多くの画家に波及しました。

  • フェルナン・レジェ — 機械と都市の幾何学
  • ロベール・ドローネー — 円形と色彩のキュビスム
  • フアン・グリス — 体系化された総合的キュビスム
  • マルセル・デュシャン — 動きの分解(「階段を降りる裸体」)

運動は未来派、シュプレマティスム、ロシア構成主義など、20世紀の抽象運動の出発点となります。

キュビスムが変えたもの

  • 遠近法の解体: ルネサンス以来の空間表現が相対化される
  • 多視点同時表示: 静止画像に時間的経験を持ち込む
  • 物質の導入: 描画からコンポジションへ、絵画の概念が拡張される

まとめ|なぜ「革命」と呼ばれるのか

  • 形と空間の表現方法を、根本から書き換えた
  • 絵画と彫刻、絵画と工芸の境界を緩めた
  • 抽象絵画と現代美術の出発点を整備した

同じピカソによる戦争画 「ゲルニカ」 も、
キュビスムの語彙が政治的主題と交差した代表例として知られます。

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