セントラル・パーク 5 番街沿い、長く伸びる新古典主義のファサード。
メトロポリタン美術館(The Metropolitan Museum of Art, 通称 The Met)は、1日で世界 5000 年を歩ける美術館です。
所蔵 150 万点超、年間来館者約 700 万人、年中無休に近い運営、世界最大級の総合美術館。
メトロポリタン美術館とは
- 所在:ニューヨーク市マンハッタン、5 番街 1000 番地
- 設立:1870 年、市民有志(実業家・芸術家・教育者)の寄付で設立
- 初代館長:ルイジ・パルマ・ディ・チェスノラ将軍(1879-1904)
- 現在の本館:1880 年、ヴォークス&モールド設計、増築を重ねた巨大複合建築
- 3 つの拠点:5 番街本館、メット・クロイスターズ(中世美術専門館)、旧メット・ブロイヤー(ホイットニー旧館、現フリック・コレクション仮拠点)
- 所蔵:絵画・彫刻・工芸・写真・書・武具など 150 万点超
- 17 部門に分かれた整理体系
17 の部門(主要分野)
| 部門 | 主な所蔵 |
|---|---|
| 古代エジプト | デンドゥール神殿、ハトシェプスト像、ミイラ・装身具 |
| 古代ギリシャ・ローマ | クーロス像、フレスコ、ガラス器 |
| 古代近東 | アッシリア有翼牡牛像 |
| イスラム美術 | ペルシア絨毯・モロッコ宮殿再現 |
| アジア美術 | 中国・日本・韓国・インド・東南アジア |
| アフリカ・オセアニア・南北アメリカ先住民 | マイケル・C・ロックフェラー翼 |
| ヨーロッパ絵画 | 1250-1800、本館 2 階の中心 |
| ヨーロッパ彫刻・装飾美術 | 家具・タピストリー・宝飾 |
| 近現代美術 | 1900 以降、リーマン翼 |
| アメリカ絵画・装飾 | 独立期から 20 世紀初頭 |
| 武具・甲冑 | 世界有数のコレクション |
| 写真 | 19-20 世紀の主要作家 |
| 素描・版画 | デューラーから現代まで |
| 衣装研究所 | 毎年「メットガラ」を主催 |
| 楽器 | 世界各地の歴史的楽器 |
| 中世美術(メット・クロイスターズ) | 修道院 5 つを移築・統合 |
必見作品トップ 15
1. デンドゥール神殿(紀元前 15 年)
- 1965 年、エジプト政府がアスワン・ハイダム建設救助の謝礼として贈呈
- 1978 年、新設のサックラー翼に再構築展示
- 水盤と巨大窓を伴う唯一無二の空間
2.「ワシントン、デラウェア川を渡る」エマヌエル・ロイツェ(1851)
- 3.78 × 6.47 m、アメリカ独立戦争の象徴的場面
- アメリカ翼の中央
3.「カイユール婦人像(マダム X)」ジョン・シンガー・サージェント(1883-84)
- 1884 年サロン発表時にスキャンダル、サージェントはロンドンへ逃避
- 20 世紀になり美術史的評価が上昇
4.「水差しを持つ女」ヨハネス・フェルメール(1662)
- 5 点所蔵、世界最大のフェルメール・コレクション
- 「リュートを調律する女」「眠る娘」「信仰の寓意」「召使いを持つ若い女」
5.「アリストテレスとホメロスの胸像」レンブラント(1653)
- レンブラント所蔵 30 点超、自画像 6 点
6.「トレドの眺め」エル・グレコ(1599-1600)
- 嵐の空の下、緑の丘にトレド市
- 20 世紀風景画の先駆
7.「カマルグの広場」ファン・ゴッホ「サイプレスのある麦畑」(1889)
- ゴッホ晩年、サン=レミ療養期
8.「アヴィニョンの娘たち」習作群(ピカソ)
- 1907 年大作(MoMA 所蔵)への準備素描がメットにも
- 「マドモアゼル・トレマンドのテーブル」(1922)
9.「水浴」セザンヌ(1898 頃)
- セザンヌ晩年の水浴連作の小型版
10.「ジャポネーズ(カミーユ・モネ)」モネ(1876)
- 赤い和服のカミーユ、ジャポニスムの代表作
11.「天女が舞う雲」中国・南宋時代
- 明軒(中国式庭園)に隣接する書画展示室
12. 葛飾北斎「神奈川沖浪裏」(1830-32)
- 「冨嶽三十六景」を所蔵、定期的に入れ替え展示
13. ハトシェプスト座像(紀元前 15 世紀)
- 古代エジプト 5 番目の女性ファラオ
- 1928 年、メトロポリタン考古学発掘隊によって発見
14. メット・クロイスターズの「ユニコーン・タピストリー」(1495-1505)
- 7 枚連作、北フランス毛織物の傑作
- ロックフェラー寄贈
15. ティファニーのステンドグラス(1900-1920)
- 「ライラックの輪郭」「アヤメ」
- アメリカ装飾美術翼
主要展示エリアの構成
| 階 | 主な展示 |
|---|---|
| 1 階 | 古代エジプト・ギリシャ・ローマ、武具、中世、アメリカ翼、ロックフェラー翼 |
| 2 階 | ヨーロッパ絵画、近代・現代美術(リーマン翼)、アジア美術、楽器 |
| 地階 | 衣装研究所(特別展のみ公開) |
メット・クロイスターズ
- 所在:マンハッタン北端、フォート・トライオン公園内
- 1938 年開館、ジョン・D・ロックフェラー Jr. 寄付
- 5 つのフランス・スペイン中世修道院を解体移築・再構築
- 「ユニコーン・タピストリー」「メロード祭壇画」
- 本館入場券で同日入場可
効率的な回り方
4 時間モデルコース
- 1 階エジプト:デンドゥール神殿(30 分)
- 1 階アメリカ翼:ワシントン渡河像、ティファニー・ガラス(30 分)
- 2 階ヨーロッパ絵画:フェルメール・レンブラント・カラヴァッジョ(60 分)
- 2 階アジア:明軒、北斎(30 分)
- 2 階リーマン翼:ピカソ・モネ・ゴッホ(45 分)
- 1 階ロックフェラー翼:アフリカ・オセアニア(30 分)
テーマ別 2 時間コース例
- 「印象派・後期印象派」:2 階リーマン翼集中
- 「古代世界」:1 階エジプト → ギリシャ・ローマ
- 「日本美術」:2 階アジア美術日本ギャラリー(北斎・若冲・尾形光琳など季節入れ替え)
訪問の実用情報
- 住所:1000 5th Ave, New York, NY 10028
- 開館:日〜火・木 10:00-17:00、金・土 10:00-21:00、水曜休館
- 入場料:大人 30$、シニア 22$、学生 17$、子供無料
- NY 州在住者は寄付制(任意)
- 同日にクロイスターズ・メットブロイヤー兼ねて利用可
- 無料 Wi-Fi、館内マップ:日本語版あり
- 地下鉄:4-5-6 線 86 St 駅、徒歩 8 分
メットガラと衣装研究所
- 毎年 5 月第 1 月曜、衣装研究所主催の招待制ガラパーティー
- 主催:アナ・ウィンター(Vogue 編集長)
- 世界のセレブリティが衣装研究所のテーマに合わせて来場
- 1948 年から 75 年以上の歴史
- 翌日から特別展として一般公開
まとめ|メットを読む視点
- 古代エジプト・ギリシャから現代まで 5000 年を 1 日で巡れる世界最大級の総合美術館
- 各部門が単独で一流美術館の規模、4 時間で主要作のハイライトを把握
- 5 番街本館・クロイスターズ・メット衣装研究所の三位一体運営
あわせて フェルメール「真珠の耳飾りの少女」 や ゴッホ「ひまわり」シリーズ を読むと、館内の鑑賞体験が深まります。
