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21_21 DESIGN SIGHTの世界|三宅一生・佐藤卓・深澤直人・安藤忠雄が東京ミッドタウンで紡ぐデザインの実験場

21_21 DESIGN SIGHT(トゥーワン トゥーワン デザインサイト)は、東京都港区赤坂の 東京ミッドタウン 内にある、デザインに特化した展示・教育施設です。

2007年3月開館。三宅一生(ファッションデザイナー)、佐藤卓(グラフィックデザイナー)、深澤直人(プロダクトデザイナー)の3名がディレクター、川上典李子がアソシエイトディレクターを務め、建築は 安藤忠雄(1941–)が設計。「日常の中のデザイン」を主題とした多彩な企画展を年3〜4本のペースで開催しています。

「美術館(Museum)」ではなく 「DESIGN SIGHT」を名乗ることが特徴。展示・教育・対話を通じて、デザインを社会・産業・暮らしから読み直す実験場として、日本のデザイン文化の発信拠点となっています。

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施設の基本情報

項目 内容
正式名称 21_21 DESIGN SIGHT
所在地 東京都港区赤坂9-7-6 東京ミッドタウン ミッドタウン・ガーデン内
最寄駅 都営大江戸線・東京メトロ日比谷線 六本木駅 徒歩5分
開館 2007年3月30日
建築設計 安藤忠雄
延床面積 約1,700㎡(地上1階・地下1階)
運営 公益財団法人三宅一生デザイン文化財団
休館日 火曜日(祝日の場合は翌平日)、年末年始、展示替期間

「21_21」という名称の由来

  • 三宅一生による命名
  • 洋服業界用語「20/20」(米英の理想視力=1.0)を超える視力で「未来を先見する」
  • 「21/21」は20/20を超えた、つまり 「21世紀の先見性」を象徴
  • 下線(アンダーバー)はデジタル時代の表象
  • 「Twenty-One Twenty-One」と読む
  • 商標とロゴは三宅デザインスタジオ作成

3人のディレクターと哲学

ディレクター 専門 哲学・主要作
三宅一生(1938–2022) ファッション 「一枚の布」「Pleats Please」「A-POC」、デザイン文化財団創設者
佐藤卓(1955–) グラフィック 「ロッテ ガム」「明治おいしい牛乳」、デザイン文化普及
深澤直人(1956–) プロダクト 「無印良品 壁掛けCDプレーヤー」「±0」、日本民藝館館長
川上典李子(1962–) 編集・批評 『AXIS』元編集長、デザインジャーナリスト

安藤忠雄設計:地下空間と「一枚の布」

  • 三宅一生の「一枚の布」コンセプトを建築に翻案
  • 地上は折り紙のように折れ曲がった鉄板屋根(高さ約8m、最低部約3m)
  • 建築の大半が地下(地下1階)、外からは屋根しか見えない
  • 地下に巨大なギャラリー2室(ギャラリー1:天井高5m、ギャラリー2:天井高5m)
  • コンクリート打放しと自然光のスリット窓
  • 外側は東京ミッドタウンの庭園に溶け込む
  • 「都市と自然と建築の共存」を体現

建築の数値とディテール

  • 敷地面積:3,140㎡、建築面積:742㎡、延床面積:1,725㎡
  • 地上:エントランス(受付)、ショップ、サロン
  • 地下:ギャラリー1(260㎡)、ギャラリー2(180㎡)、廊下展示スペース
  • 屋根の鉄板厚さ16mm、現場曲げ加工
  • 地震・風圧計算は熟達構造設計者・小西泰孝が担当
  • 2007年、JIA 新人賞、グッドデザイン賞金賞ほか

運営:三宅一生デザイン文化財団

  • 2003年設立、三宅が私財を投じて設立
  • 本部は東京、三宅デザインスタジオ内
  • 2022年三宅死去後も活動継続
  • 展覧会・教育プログラム・出版・国際交流
  • 「デザインを通じて社会に貢献する」を理念に
  • 三井不動産(東京ミッドタウンの開発主体)と連携

主要な企画展年表

展覧会 ディレクター
2007 チョコレート展(開館記念第1弾) 佐藤卓
2007 水展 佐藤卓
2008 XXIc.- 21世紀人 三宅一生
2009 骨展 山中俊治
2010 うつくしいかみ:和紙 三宅一生
2011 佐藤卓ディレクション「テマヒマ展」 佐藤卓
2013 デザインあ展 佐藤卓
2014 イメージメーカー展 川村真司
2016 土木展 西村浩
2017 「雑貨」展 深澤直人
2018 民藝 MINGEI 深澤直人
2020 マル秘展:マル秘の知られざるデザインの裏側 三宅、佐藤、深澤
2022 クリストとジャンヌ=クロード展
2024 もじ イメージ Graphic 展 佐藤卓ら

「テマヒマ展」と東北のデザイン

  • 2011年、震災後の東北の「テマヒマ」(手間ひま)に着目
  • 佐藤卓ディレクション
  • 東北の食・工芸を、手間と時間という観点から記録
  • 震災復興と地域文化の再評価
  • 21_21 の企画展が社会的テーマと結びつく転機

「デザインあ展」と教育

  • 2013年、NHK Eテレ「デザインあ」連動展
  • 子ども向けデザイン体験の決定版
  • 全国巡回し、累計100万人来場
  • 2018年、第2弾「デザインあ展 in TOKYO」
  • 2025年、新たな展開「デザインあ neo」
  • 子どもとデザイン文化の架け橋

「マル秘展」と裏側のデザイン

  • 2020年、三宅・佐藤・深澤の3ディレクター共同企画
  • 製品開発の試作・スケッチ・没案を公開
  • 無印良品、ヤクルト、SONY、Apple など実例
  • 「完成品ではなくプロセス」に焦点
  • SNS で大きな話題、25万人来場

21_21 の役割と運営モデル

  • 展覧会+トークイベント+ワークショップ+出版の四本柱
  • 年3〜4本の企画展、各2〜4ヶ月会期
  • 収益は入場料・ショップ・図録・スポンサー
  • 三井不動産がミッドタウン内施設として支援
  • 少人数学芸員によるディレクター主導の機動的運営

東京ミッドタウンの中の位置づけ

  • 東京ミッドタウン(2007年開業、防衛庁跡地再開発)
  • ミッドタウン・ガーデン芝生広場の北側に位置
  • サントリー美術館(同ミッドタウン内)と隣接
  • 「ミッドタウン=デザインの街」ブランディングの核
  • 毎年開催「Tokyo Midtown DESIGN TOUCH」の中心

六本木アート・トライアングルとの関係

  • 厳密にはトライアングルは 森美術館NACT+サントリー美術館
  • 21_21 DESIGN SIGHT は4番目の「デザインハブ」として補完
  • 4館共通の六本木アートナイトに参加
  • 夜間開館・横断ツアーで一体運営

三宅一生と21_21

  • 三宅一生(1938–2022):パリで活躍した世界的ファッションデザイナー
  • 1971年三宅デザインスタジオ設立、1973年「ISSEY MIYAKE」
  • 「一枚の布」概念で衣服を再定義
  • 21_21 開館後も「XXIc.- 21世紀人」「うつくしいかみ」をディレクション
  • 2022年8月死去、財団は後継体制で継続

佐藤卓のディレクション哲学

  • 「日常の中のデザインを発見する」が一貫
  • 食・身体・地域文化など暮らしの主題
  • NHK Eテレ「デザインあ」「にほんごであそぼ」など教育系も担当
  • 21_21 では「チョコレート展」「水展」「テマヒマ展」「デザインあ展」をディレクション

深澤直人のディレクション哲学

  • 「Without Thought(考えずに使えるデザイン)」が中心
  • ±0、無印良品、au INFOBARなどプロダクト多数
  • 2012年から日本民藝館館長
  • 21_21 では「雑貨」展、「民藝 MINGEI」展で民芸とデザインを接続

ショップと出版

  • 地上階「21_21 SHOP」:展覧会連動グッズ・限定アイテム
  • 図録は展覧会ごとに刊行、グラフィック性が高く所蔵価値
  • 三宅・佐藤・深澤の対談本、企画書アーカイブも出版

批判と課題

  • 展示空間が小さく、大型企画はギャラリー外まで滲み出す
  • 「DESIGN SIGHT」の独自定位が一般来場者に伝わりにくい
  • 建築が地下中心で外から場所を見つけにくい
  • 三宅死去後の財団運営の長期持続性
  • SNS 映え重視と批評性のバランス

訪問のおすすめ

  • 東京ミッドタウンの庭園と一体で訪れる
  • 展覧会開始直後の3週間は混雑、平日午前か夜間が空いている
  • サントリー美術館とのセット鑑賞
  • 3〜4時間の滞在で建築・展示・ショップ・図録を満喫
  • 子ども連れにはデザインあ系企画展がおすすめ

まとめ|21_21 DESIGN SIGHTを読む視点

  • 2007年開館、世界初のデザイン特化型展示施設
  • 三宅一生・佐藤卓・深澤直人・川上典李子のディレクション
  • 安藤忠雄設計の地下「一枚の布」建築
  • 年3〜4本の企画展で日常のデザインを発信
  • 21世紀日本のデザイン文化のショーケース

あわせて 戦後日本現代美術の全体像森美術館国立新美術館 を読むと、東京・六本木のデザイン/アートシーンと 21_21 の位置がより立体的に見えてきます。

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