ニューヨーク五番街、セントラルパークの東。
白い貝殻のような曲線が突然現れる。
ソロモン・R・グッゲンハイム美術館(Solomon R. Guggenheim Museum)。
建物そのものが 20 世紀美術 の代表作です。
グッゲンハイム美術館とは
- 所在:アメリカ・ニューヨーク(5番街 1071 番地)
- 設立:1937 年(ソロモン・R・グッゲンハイム財団)
- 初代館長:ヒラ・レベイ(独・抽象絵画推進者)
- 当初の名称は「非対象絵画美術館」
- 1959 年に現在の建物(ライト設計)でオープン
- 収蔵作品数:約 8,000 点
- 年間来館者:約 100 万人
フランク・ロイド・ライトの建築
- 1943 年に設計依頼、1959 年完成(ライトは竣工 6 か月前に死去)
- 外観は逆さに置いた円錐形のリボン
- 内部は約 400m の連続スロープ
- 来館者は最上階までエレベーターで上がり、緩やかに下りながら鑑賞
- 2019 年、ユネスコ世界遺産登録(ライトの 20 世紀建築群の一部)
必見作品トップ10
1.「コンポジション 8」ワシリー・カンディンスキー(1923)
- 幾何学的形態と純粋色彩による抽象
- バウハウス時代の代表作
- 所蔵 150 点超のカンディンスキー・コレクションは世界最大級
2.「黄色いカウ」フランツ・マルク(1911)
- 「青騎士」運動の象徴的作品
- 動物と色彩象徴主義
3.「赤い気球」パウル・クレー(1922)
- 幾何学的構成と詩的タイトル
- バウハウス教師時代の作
4.「ピアノ前の女」パブロ・ピカソ(1909-10)
- 分析的キュビスムの典型例
- 形態の解体と多視点
5.「ムリーリョの追憶」サルバドール・ダリ(1934)
- シュルレアリスムの夢幻的描写
6.「青いバイオリニスト」マルク・シャガール(1947)
- ロシア・ユダヤ的記憶と詩情
7.「コンポジション No.10」ピート・モンドリアン(1939-42)
- 赤・青・黄の三原色と直線
- 新造形主義の到達点
8.「鳥」コンスタンティン・ブランクーシ(1923)
- 磨かれた青銅の流線形
- 本質形態の追求
9.「Untitled」マーク・ロスコ(1952)
- カラーフィールドの瞑想的画面
10.「Number 18」ジャクソン・ポロック(1950)
- アクション・ペインティングの典型
主要なコレクション領域
| 領域 | 内容 |
|---|---|
| ソロモン・R・グッゲンハイム本コレクション | カンディンスキー・モンドリアン・シャガール |
| ペギー・グッゲンハイム遺贈 | シュルレアリスム・抽象表現主義(ヴェネツィア館に主に保管) |
| タンハウザー・コレクション | 印象派・後期印象派・初期モダン(マネ・ピサロ・セザンヌ・ゴッホ) |
| パンザ・コレクション | ミニマル・コンセプチュアル(1990 年取得) |
| ボーム&アムノン・タンハウザー | ピカソ青の時代・薔薇色の時代 |
歴史的展覧会
- 1980「美術と権力:1930 年代彫刻」
- 1992「グレート・アメリカン・ピクチャー」
- 1998「中国 5000 年」
- 2009「フランク・ロイド・ライト生誕 50 周年回顧」
- 2017「マウリツィオ・カテラン:すべて」
世界のグッゲンハイム
- 本館:ニューヨーク(1959)
- ヴェネツィア(1979、ペギー・グッゲンハイム・コレクション)
- ビルバオ(1997、フランク・ゲーリー設計)
- アブダビ(2025 年予定、ジャン・ヌーヴェル設計)
効率的な回り方
2 時間モデルコース
- エレベーターで最上階(第 6 ランプ)へ
- ランプを下りながら時系列に鑑賞
- 第 5 ランプ:カンディンスキー・モンドリアン
- 第 4 ランプ:ピカソ・シャガール
- 第 3 ランプ:ダリ・ミロ・シュルレアリスム
- 第 2 ランプ:戦後抽象(ロスコ・ポロック)
- 1 階展示室:タンハウザー・コレクション(印象派)
訪問の実用情報
- 住所:1071 5th Ave, New York, NY 10128
- 開館:日〜金 11:00-18:00、土 11:00-20:00、火曜休館
- 入場料:30 ドル(成人、2024 年)
- 地下鉄:4・5・6 系統「86 St」駅
- 音声ガイドアプリ無料
- 写真撮影:可(フラッシュ禁止)
ライト建築のディテール
- 螺旋の傾斜:3% の緩やかな下り
- 天井:ガラスドームから自然光が降り注ぐ
- 壁面:垂直ではなく外側へ 7% 傾斜
- 「絵を立てかける」鑑賞体験を意図
- 建設当時、画家から「絵が傾く」と批判された逸話
まとめ|グッゲンハイムを読む視点
- 建物そのものが 20 世紀建築の頂点
- カンディンスキー世界最大級のコレクション
- キュビスム・抽象表現主義・シュルレアリスムを一筆書きで体験
続けて カンディンスキーと抽象絵画の起源 や ポロックとアクション・ペインティング を読むと、館内体験が立体的に深まります。
